紅魔館、妖夢と来たら次は永遠亭。
 元玉兎の鈴仙さんです。
 この話が色んな意味で彼女の全盛期。

      


 待ちなさいこのっ!
 それーっ!
 げーっと!
 ……わあ!
 ……!


 兎狩りで日が暮れるまで遊ぶ三妖精。
 ずっこけるルナ。

 そしてルナはボウズになった。ぶっちゃけビリ

<それにね…大体、私たちの能力だと私が一番不利じゃないの!
 ↑”消音の能力”「音しか消せない」

<何にしても、今日の夕ご飯の準備お願いね
 ↑”レーダーの能力”「兎の位置を把握できる」

<負けは負けだしね
 ↑”光の屈折の能力”「姿を隠せる」

<何か騙されてる気がする……。

 そんな三匹をこっそり見つける謎の妖怪

<…………
 ↑因幡てゐ

 てゐさんに気づかず、三妖精は竹林を彷徨う。

<ここの竹林はね。昔は幻想郷じゃない別の場所にあったんだって。伝承では大津波で流されてここに辿り着いたとか……

<竹林が津波で流された? しかも流されて幻想郷にって変じゃない? 海も無いのに……

<幻想郷は外の世界で消えた物が流れ着くこともあるのよ。魔法の森だって同じ様な伝承があるわ

<時空の迷子になった場所ってことね。だから「迷いの竹林」って言うのかな

<いや…そうじゃないでしょ!
    今迷ってるのは私たちの方! 一体何時になったらこの竹林から抜け出せるのよ!

 な、なんだってー!?

 そしてスターはたくさんの気配を感じ取っていた。
 そこに現れるもう一匹の妖怪兎。

<はあ…まったく何処に行っちゃったのかしら? お師匠様がお呼びだというのに
    もう! 見つけたらお仕置きしないとね。
    ま、竹林から抜け出せなくしたから、いつかは戻ってくるとおもうけどぉ……
 ↑鈴仙・優曇華院・イナバ

  <お?

 バッタリあってしまう鈴仙と三匹。
 次にサニーたちがとった行動とは?

 サニーたちはにげだした!

<ちょっとスター! 何で妖怪がいるのに教えてくれないのよ!

<ええ? 今の人、私の眼に映ってなかったわよ?

 サニーの能力で姿を消して逃げる。

<そこの妖精さん、ちょっと良いかしら?

 しかし まわりこまれてしまった!

<この辺で人間の形をした大きな妖怪兎を見たりしてない?
    あ、私じゃなくて黒髪の……って…どうしたの?

 「人間の形をした大きな妖怪兎」って、やっぱりうどんげとてゐ以外はうどんげっしょーみたいな感じなんですかね。
 永夜抄ではザコ兎も人型にも見えるんで、好きに解釈しても良いのでしょう。

 ノーパン一回転を晒す鈴仙。

<あ! もしかしら。竹林の外に出られなくなっちゃったのかな?
   ごめんねぇ。今の竹林は錯覚で道に迷うようにしてるのよ。てゐが見つかるまで待ってね

<! 錯覚!? もしかしたら私達が道に迷っていたのも錯覚で?

<そうよ、竹林の波長を少しだけ弄くったの。今、この竹林から抜け出せる者はいないわ

  <(いないわ……って傍迷惑な)

<(錯覚……私達の姿が見えたのも、同じような力を持っていたからね。
     でもこんなに広範囲に……それにスターの眼に映らなかったのは何故?)

 考察するサニー。
 そして以下が単行本未収録のZUN発現。

 今回初登場の鈴仙は、狂気を操る程度の能力を持つ。
 漫画ではサニーと同じ様な能力と言う事になっているが、錯覚を見せるのは能力のほんの一部でしか無く、実際にはサニーは鈴仙の能力の足元にも及ばない。
 サニーは光の進行方向を変える程度だが、鈴仙の能力は光のみならず、物体が持つ波動、精神が持つ波動、電磁波、全てを操る。
 さらには方向だけではなく、波長、位相、振幅を操る事が出来、彼女の赤い眼を見ると人間妖怪問わず全てがその能力の影響を受けてしまう。


 玉兎すげえ! 
 うどんさんの能力は、彼女の姉弟子かつ元上司も認めてただけあるぜ。
 「臆病で自分勝手」とも言われてるけど。

<よわったわね…てゐさえ見つかればすぐに帰れるようにしてあげるんだけど…

 悪い妖怪ではないと感じた三妖精。
 まあ、うどんさんは人を襲ったりはしてないらしいって求聞史紀にあった。

 数刻後。
 馴れ馴れしくなった三妖精。
 とりあえず鈴仙がてゐを探してる理由とは……。

<お師匠様が薬を作るのに高草都の光る竹が必要だ……って

 高草都は、迷いの竹林の昔の名称。
 てゐは、ここが高草都だった頃から住んでる最長老。
 で、ここの竹林の事を知っているのはてゐだけだった。

 うどんげっしょーでは「あんた、私より年上じゃなかったっけ!?」って、てゐに言ってたなぁ。

 だが捜し兎も光の妖精なら簡単につかまります。

<だったら運が良かったね! ここにいるのは光の妖精

 うどんさんは、巫女とか魔法使いとか姫様のライバル(自称)とかが来たら退治されてたかもね。
 そう考えるとマジ運が良い。
 きっと、てゐの優しさ。

<私は星の妖精、広範囲で生き物の場所を探ることができるのよ。一際大きな兎を探せば良いんだよね?

<へぇ妖精なのに凄いのね…そんな力が使えるんだ

 そしてうどんさんは愚痴る。

<はぁ…それにしても、逃げてるのはてゐなのにお師匠様に叱られるのは私だけなんだよねぇ
    てゐは野放しにしていると言うのに…何だかばかばかしくなるわ。
    お師匠様ももっと薬以外のことも見てくれても良いのにねぇ。
    大体この間の巫女が来た時だってね……。
    だいいち師匠は……

<…いつになったら帰れるのかなぁ…

<うふふ…こんなこと言ってたって後でお師匠様に報告しよーっと!

 <雑感>

 この頃のうどんげは「てゐは永琳の部下じゃなくて、同盟関係だから永琳の言う事も聞かない」という事を知らなかったのよね。
 それは儚月抄の小説版で教えられます。

 しかし後先考えず竹林を封鎖する辺り、改めて元玉兎らしいというかなんというか。
 師匠は師匠で今は丸くなったと言っても、月隠したり公転ズラしたりしてた人だしなぁ。
 今は丸くなってるみたいですけど。
 いや、本当に妖精で良かったな、うどんげ。 
 霊夢とか妹紅とかが引っ掛かってたら叩きのめされて永遠亭へ突き出されてたかもしれない。

 しかし今回の話は「月のイナバと地上の因幡(うどんげっしょー)」に影響与えてそうですね。
 てゐの「お師匠様」呼びとか、ザコ兎の造形とか、その他諸々。
 あの漫画は良い意味で三月精の影響を受けてるのも、どこかとっつきやすい一因なのかなと再確認。


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