さらば「東方三月精 〜 Strange and Bright Nature Deity.」
「東方三月精 〜 Strange and Bright Nature Deity.」よ、永遠になれ。
という事で「東方三月精 〜 Strange and Bright Nature Deity.」の最終編、「二つの世界」始まるよ〜
<前回のあらすじ>
龍神様のかみなり!
こうかはばつぐんだ!
ミズナラの木はまっぷたつになった。
それを祀る霊夢。住み着く三匹。
ミズナラの木はいったいどうなるのか。
霊夢は掃除中。
魔理沙が遊びに来て、スルーする霊夢。
だが魔理沙は箒で霊夢の邪魔をする。
魔理沙可愛いよ魔理沙。
東方の霧雨魔理沙はウザ可愛い。
3巻を待つべし!
まあそれはさておき。
<ねえ。何で木の葉は紅くなって落ちるのかなぁ
<青くなったら気持ち悪いからじゃない?
<確かに気持ち悪くなったら青くなるからね
一方、霊夢は放置してると参拝客が来なくなると言いだしていた。
?<参拝客が来ないのは誰のせいかしら?
<ご機嫌よう♪
境界の妖怪 八雲紫
ウホッ、いいスキマ様
<なんだ紫か
<むっ。妖怪(あんたら)が蔓延ってるからでしょ。なんか用?
<あら、ご挨拶ね
すると紫は面白いことが起きていると言う。
誘われるがまま霊夢と魔理沙はホイホイとついていってしまうのだった。
妖精side
<う〜ん…最近森が大きくなってるみたい
らしいです。 純粋に面積が大きくなってるというより、密度が濃くなっている
<確かに私も感じたわ。昔は夜でも迷うことは無かったのに、最近は家を探すのが大変になったもん
↑への字
一方、霊夢side
なんと例の割れた木は物凄くデカくなっていた。
数か月やそこらでここまで成長する物なのか、というくらいデカくなっていた。
<紫(あんた)の仕業?
<いえいえ私はそんなことをしませんよ。ただ貴方がこの木を神として祀ったのに飽きてすぐに放置したもんですから私が見守っていたのです。
神様はどんなところにも住みつきます。ただの木であっても祀られた瞬間から神は宿るのです。
それを放置してしまっては神様とて無念でしょうね。
流石に霊夢も言い返せなかった。
という事で飽きて放置してたそうです。
まあ霊夢だし。
一方、妖精sideは「新居」への引っ越し作業を開始していた。
もう例の大木へ引っ越しする事を決めてたらしい。
<げっ! 霊夢と魔理沙よ、早く隠れて!
テラ呼び捨て。魔理沙さん付けしてたのにちゃっかりしてるなぁ。
自由に生きてるように見えて意外と世知辛いです。
ルナは巫女たちに遭う確率が高くなるのを危惧しているが、悪戯して楽しむ機会が増えるだけだとサニーは返す。
<それに私たちの住処は人間には絶対に見つからない−−
?<へぇ。貴方たちはあの木に住みたいの?
<な!?
<少し、お話いいかしら
どうなる三妖精のお引越し!?
ここで前編終了。
<中編>
そうですね、中編なんですね。
紫が登場した事も含めて、色々と転換期です。
ちなみに前にルナは紫と会ったことがありますが、ルナにその記憶はないので矛盾はないはず。
ともかく中編スタート
<貴方たちがご存じかどうか判りませんが、この木は一度死んでいるのです
今は何十年も成長したかのように見えますが、2〜3か月前にはここにこの木はありませんでした
ウホッ、いい問いかけ。
本当、紫は問いかけ大好きだよね。
霊夢に対しても妖夢に対しても藍に対しても問いかけしてばっかです。
<妖精(あなたたち)の仕業かしら?
<私たちは妖精ですから少しだけなら生長の手助けをすることはできますが……こんな大木を−−
生長させるなんて数年…いや数十年はかかると思います。
<…………そう
紫も知らなかったかもしれないけど、どうなのかね。
ともかく三匹のせいではないようです。
<それで貴方たちはこの木に住みたいの?
<えっ? ま、そ、そうですね。住み心地が良さそうに生長したもんですから……
某絶版の小説は素粒子にされて黒歴史にされたようです。 まあ過去は気にせず
<自然物に妖精は住み、妖精はその自然物を成長させる。
妖精の住まない自然物はやがて生長を終え、その生涯を終えるであろう
この大木は特別な木ですが未だ何者も宿っていないまさに赤ん坊の木です。
貴方たちが住むのに相応しい妖精かどうか…試させてもらいます。
最近、小物とカリスマの境界が曖昧な紫さま。
他はさておき三月精はカリスマ寄り。
一方、神社side
魔理沙には音が聞こえてるらしいが、霊夢はあえてスルーした
<前から不思議に思ってたんだが、神社の周りって木が多いだろ? でも、魔法の森なんかとはちょっと森の性質が違うんだよ。
神社には木が多いのです、これトリビア。
<何というか無駄がないというか、おもしろみがないというか。
だから後から誰かが神社の周りに木を植えたんじゃないかなと。
<うーん、確かに不思議よねぇ。他の建物と違って何で神社の周りだけ木が多いのかなぁ。
<あの大木は神社の中なのか?
<あの大木は……境内の境目。そう、神社の内側と外側を分ける所に−−−
そして妖精サイドへ
<わあああああっ! ぎゃん!
紫の攻撃でぶっ飛ばされていた。
<いたた…ちょ…ちょっと、こんなの勝てるわけ無いじゃない
ですよねー
<別に貴方たちが私に勝つ必要はありません、そもそも無理な話です
ですよねー
<ただ貴方たちがこの大木を悪用しないか確かめているだけですから
<なっ!?
↑イメージ画像
画像は東方緋想天のものです。
東方緋想天は黄昏フロンティア及び上海アリス幻樂団の制作物です。
<わあっ! ……曲がった…
だがサニーは紫の可愛い光弾を曲げるのだった。
<貴方は変わった力を持っているのですね。
<えっへん! 光の屈折ならお任せのサニー様だ、そんな光の弾なんて怖くないね!
なんという実戦向け能力。
<…ふむ。では、そちらの二人も同じようなことができるのでしょうか
<わああ!
チュドーン
<二人はよけられないかも。ゴメン…
<あらあら
一方、神社side
<今まで気付かなかったけど神社の境内は大木によって囲まれていたのね。
今まで気付かなかったのかい。
という事で神社の境内は大木によって囲まれている。これトリビアね。
<神社の周りの木々はある目的で植えられているのかも知れないわ。
そして神社の木々へ話が移る
<この神社は幻想郷と外の世界との境界にある場所なの。境内は文字通り境界の中という意味ね
つまり、この神社のある場所は幻想郷でも外の世界でもない。もしくはどちらでもある。
そして霊夢は解説する。
<例えば大きな庭を塀で南北二つに分けたとするでしょ? それぞれ北庭と南庭と呼ぶとして境界線である塀はどっちの庭なのか判る?
<それは取り決めによるんじゃないか? 北庭が塀を持つのなら北庭だし……
<でもね、そんな単純じゃないのよ。もし塀が北庭だとすると南庭と塀の間に事実上の境界ができることになるじゃない
<まあそうだな
<つまり塀がどちらかの庭になってしまうと塀自体は境界ではなくなってしまう。でも、この神社は境界の中に存在しているの。
これが意味することはと言うと
<どちらにも属さないってことか
<もしくはどちらにも属しているってことね。私は後者だと思っているわ。ここには幻想郷からの行き来は自由だし、外の世界からもよく物が流れ着くから。
一方、妖精side
<ふむ、やはり光弾以外は曲げられませんか
サニーもやられていた。
とりあえず逃げようとする三匹。
<わあああああごめんなさいごめんなさい、この木は諦めて帰りますからぁ
だからその扇子で無に帰すのは勘弁願えないだろうか
<あら、何を勘違いしているのかしら?
<……へ?
<私はこの木には早く妖精が住んで欲しいの。枯死してしまわないようにね。
でも、力のある者が悪用すると大変なことになってしまう。だから試したのよ。
貴方たちが弱いかどうか
<貴方たちは……合格だわ。十分すぎるほど弱い、超弱い。
ひどい言い草ですが、住んでもいいという事らしいです。
にっこりゆかりん。
<さあ、何をぼさっとしているのかしら? 早く荷物を纏めて持ってこないと日が暮れてしまいますよ?
<はーい!
新居決定おめでとう!
後編へ続く。
<後編>
さてお引越し。
霊夢は大木の復活の理由について考える。
<神社の周りの木は、魔法の森のような生命力に溢れた物ではない。妖怪の山の木のような厳しい環境を耐え抜いたような物でもない。
どうもわざと後から植えた感じがするわ。
<うむ、魔法の森のほうがおもしろいよな。
さりげなく魔理沙の発言が吹く。
そして霊夢は「何処から境内なのかをはっきりさせるため」なんじゃないかと考えていた。
<神社が壊れても、特に境界としては問題なかったのも、もともと大木に囲まれた場所が特別な場所だったからなんじゃないかと。
緋想天の時ですね。
<つまり、いちばん端に立っていた大木が落雷で裂けてしまった時、神社の境内は一時的に小さく、そして境界は危うくなった。
そして大木の前には紫が居た。
<そう、漸く判ったわ。この木が何故復活したのか。
<え?
一方、三妖精は「らんらんらららら、お引越し〜♪」とかいう歌を歌って引っ越し作業をしていた。
だが霊夢たちが居て身を隠す。
<でもまぁ隠れなくても良かったんじゃない? あの大木は正式に私たちの物になったんだし
<いやいや巫女たちにはばれたくないじゃない。これから悪戯するにしても
<それもそうね。
一方、神社side
<え? あの木って外の世界の木だって?
そして紫は語る。
・木は境界。
・裂けたから神社が一度小さくなって、埋めるように外の世界が割りこんできた。
・あの辺一帯は今は外の世界に通じている。
・大きな木なのに妖精も住んでいない。大木の空気が生暖かく汚かったから、紫だけが気付いた。
何気に「神社の結界は、周りの木々」というのが重要かも。
今まで「壁」呼ばわりされてたけど、実際に描写されなかったのはこの辺が理由からですかね。
<そんなに簡単に結界に穴が空くんじゃ危なっかしいじゃないか。木を切るだけでいいんだろ?
<もちろん、そんな簡単に穴が空かないようにいろいろと仕掛けが施されているのです。
大木は雷が落ちた程度では枯死したりしません。
ですが今回は霊夢が悪さをしたから……
<あん?
紫はミズナラを神様として祀った事を指摘する。
<神社なんだからいいじゃん。そのくらい
ウホッ、いい霊夢さん。
この適当さが霊夢クオリティ。
<はあ…
だが紫は溜息をついて、霊夢を諭す。
<神様は信仰すればすぐに生まれますが……信仰する人がいなくなると消えてしまうのです。
らしいです。東方の神様は信仰が何よりも大事。
神奈子も幻想郷に移住しようと思いますわね。
そして霊夢は、すぐにほったらかしにした。
だから神様になった前のミズナラは消えてしまい、外の世界から大木が流れてきたのだ。
<霊夢、貴方には勉強とお仕置きが必要なようね。
ウホッ、いいお仕置き。
でも流石の霊夢も何も言い返せなかった。
<自由に外の世界に行けるっていうんならおもしろそうではあるが
そう、外の世界とつながったのなら外へ行けるという事なのだが……。
<残念、もう埋めてきちゃいました。あの木をもの凄く幻想郷的な力でね。
そう、幻想郷的な力とは三妖精だ。
そのおかげでまもなくあの木の一帯は幻想郷に吸収されるらしい。
一方、妖精side
<引っ越し完了〜!
雪の多さで玄関がふさがれる事も、スターの能力が生き物の多さに邪魔される事もなく、何より神社に来る人間にちょっかいが出しやすい。
という事で宴会だ!
部屋の割り振りは、サニーがお日様のあたるいちばん上、スターが上り下りが楽ないちばん下。
一方、ルナはどこがいいか迷って、「ぷー」と頬を膨らませるのだった。
<地下なんてどう? 夏は涼しく冬は暖かいわよ?
<嫌です
三匹の笑い声が響く中、紫は幻想郷から外の世界を見つめる。