手に入れろっ! オンミョウボール!
 世界でいっとー、手ごわいチャンスー

 しょっぱなからドラ○ンボールに出てきそうな龍神様の扉絵です。
 今回は半年ほど渡ってひっそりと進んできた「大木編」にあたる話です。
 別の会社の雑誌では「依姫無双編」と並行して連載された話。
 大木編は幻想郷的にも重要な話です。


 しょっぱなから二ページにわたって大雨が降る。

 ガガカッ

 ドォン

 そして神社付近に落ちる落雷。
 次の日、雷雨も去って晴れた幻想郷。

<はあ…雷が落ちたのはここね。そうとう大きなミズナラの木だったんだけど……。

 霊夢が見上げるのは根元付近まで真っ二つに裂けているミズナラの木だった。
 これが幻想郷のバランスを崩しかねない事態に発展しかけていくのだった。

 いつものように遊びに来る魔理沙

<でも良かったじゃないか。神社より高い木があって

<?

<雷は高いところに落ちるんだ。もし神社が古代出雲神社みたいに超高層神社だったら今頃真っ二つだったかもな

 今にして思えばこの「大木編」は謎が多い博麗神社にも触れる話ですね。
 それはおいおいと。
 それにしても、なんで高い所に落ちるのか。

<そりゃ……出る杭は打たれるからな。バベルの塔だって同じ様な理由で崩壊したのかもしれん。

 個人的な見解だけど、東方的には「月人がぶっ壊しました」とか言われても納得行くから困る。

 それはさておき三妖精へ。

<久々の日光よー! 梅雨明けかしらー!

 雷が落ちると梅雨は明けます。

<梅雨はお空に棲む龍神様の視察なんでしょ? 視察が終わりましたーって合図なんじゃないかな?

 ウホッ、いい龍神。
 まるでドラ○ンボールのシェンロンみたいな感じでしたが、それはそれ。

 一方、神社では霊夢と魔理沙が縁側でお茶飲んでた。

<それにしてもあのミズナラ……大きかったのにまさか落雷一つで裂けるとはな

<ミズナラはその名前の通り水分が豊富な木だからね。龍神様は水が好きだから……

 龍神は水が好きだそうです、これトリビア設定ね。


<中に棲んでいた奴らはどうなるのかな?

<中に棲んでいたって?

<木には鳥や虫や獣や妖精が棲み付いているもんだ。木は一つの社会みたいなもんだな。そこにあの落雷だろ?
    まあ、世界中で最も大きい生命体ともいわれる大木が裂けるぐらいだからひとたまりもないだろうが

 「世界最大の生命体」って龍神様じゃなくて大木だったんですね、今気づきました。
 そもそも神様は生命体か微妙な所ですし。

 とりあえず屋根で霊夢魔理沙の話を聞いてた三匹は、とりあえず神社の裏のミズナラへ向かう。
 随分と派手に裂けたもんだった。

<ミズナラだもんね。中に水を多めに蓄えてるから瞬間的に蒸発して真っ二つでしょ

<ということは中に住んでいた妖精は……

<今頃一回休みかな。その辺で風に流されて漂ってるんじゃない?

 天使の輪っかみたいなのが付いて流される木に住んでた妖精。
 不死身言われてても妖精が死ぬシーンは出てきませんねぇ。
 という事で「一回休み」です。

 一方、神社へ。

<龍神様の一撃なら雨を蒸発させるくらいなんてこともないだろうが……

 今さりげなく、トンデモ発言してたぞ。
 一撃で雨を蒸発させられるそうです。
 龍神TUEEEEEEE!!
 まあ設定上、最強らしいから仕方ない。

 一方、霊夢はなんか企んでた。

<神社の裏の木を祀るのよ

<……はあ?

 この霊夢の企みが幻想郷危機を招くとは、この時誰も思ってなかった(誇張)
 という事で前編終了。

 <後編>

<〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 何か呪文を唱える霊夢。
 意外と三月精では巫女らしい事をやってます。ことごとく空回ってるけど。
 まあ霊夢にとって巫女らしい仕事と言えば妖怪退治だろうから仕方ない。

<落雷のあった木も有効利用しないとね。あれだけ大きな木だったんだし、龍神様が雷を落とした木となれば色々と神社の目玉になりそうでしょ?

<そうかなぁ。ただの死んだ植物だぜ?

<あのまま放って置けばそうなるだけね。でも、祀ることで裂けた木が生まれ変わる

<ほう

<妖精が棲み着いていた木に神霊が宿れば信仰だって生まれるじゃない。有効利用だわ

<なるほどな

 要するに「お賽銭ゲットだぜ!」の一環。
 霊夢は生活には困ってないらしいですからね。お賽銭は入ってないけど。
 金に価値を感じてないけど、信仰が欲しいから賽銭を欲しがってます。

 御利益は雷避け。
 御札には「桑原。」と書いておきます。

 どうでもいいけど竜宮の使いの永江衣玖さんは、龍の世界を行き来して龍の言葉を人間や妖怪に伝える役回りとか。
 今更ながら雷繋がりなんですね。

 一方、その頃。

<やっぱり今は誰も住んでいないようね。

<どうする?腐ってしまう前に私たちが入る?

<そうね

<よーし!

 −−生きている木、草、花……
 自然のあらゆる物に妖精は宿る。

 三妖精は魔法の森にある名も無き大木に住んでいるが、それは大木を破壊しているのではない。
 妖精が生活していることも含めて一つの木なのである。

 住んでいた妖精が居なくなればその木も長くは持たないだろう。
 逆に、早々と妖精が住み着いた木は素早く大きく成長する。

 まさに妖精は自然の具現なのである。

 なんという自然サイクル。
 自然に優しいマンガ、それが東方三月精です。多分。

<決まり! 夏の間の別荘ってわけね!

<ま、ここに住んでいた妖精が復活するまでの別荘ってことで

<これだけ大きな木をこのままにしてしまうのももったいないもんね。元の住人が戻ってくるまでの間だけでも有効利用しなきゃ

 という事でミズナラに住みつく三匹。

 一方、その頃。
 霊夢と魔理沙は草木をかきわけてミズナラまで向かう。

<もしその裂けたミズナラの木で参拝客を呼ぶつもりなら、この辺もちょっと整備しないといけないぜ

<そうねぇ…それはちょっと面倒かも

 お賽銭が入らない理由は、殆ど霊夢のせい。
 「人間は楽なほうに集まるもんだ」と言い放つ魔理沙。

<山の上の神社なんか誰も参拝しないだろう?


 ウホッ、いい守矢神社。
 比良坂さんの早苗はかなり可愛いです。はやく本格的に出してほしいです。

              /_/           . . -‐‐- . .
               /         ∠:: /⌒>,, `ヽ
  く  は  神  7__       /ニ、{{∠∠二、 li ハ
  れ  や  主   /     /. -‐…'''⌒ヽ   ij _」
  |   く     |  / 、__    ,'{ r‐…''⌒ヽーi  .<⌒ヽ
  |   出    |  {/ヽ)   ! iヽ.).:.:.:.:.:.:.:xこ| |i  ト、 !i
  |   し    |  >''´}    ', ',.:.:.:/⌒し':::::::| ij  )ノ リ
  | て   |  >イ     ', V^)⌒V⌒/7  >こノ
  |      ! ! ! ! >ノ     丶ヽ.__ー__彡'  /
  っ        \ーァ'⌒ヽ.._ \  ̄    {x‐/.:.
 ! ! ! !        r‐一.:.:.:.:.:/.:.:`ヽ/  ノ __//.:.:.:.:
///l/ ̄`ヽ∧j:.:.〈.:/.:.:.:.:.:.∠二 { ∠´/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:

 一方の博麗神社も参拝する人が少ないです。

<お前の神社だって人里からかなり離れてるぜ

 だそうです。
 面倒な癖にメリットもないしね。巫女さんは可愛いけど。

 一方、魔理沙はミズナラに新しい枝が生えているのを観る。
 昨日落雷で裂けたのにも関わらず、すぐに枝が成長するのだった。

<なるほど! それはつまり……。この御神木の御利益は雷避けじゃなくて成長祈願が向いているってことね!

 地霊殿のバックストーリーの時といい、最近の霊夢さんは解釈が都合良すぎるから可愛くて困る。
 地霊殿マニュアルのアレは、温泉湧いたよ〜わーいわーいってなノリだったなぁ。逆に魔理沙が突っ込んでて吹いた。

 一方、三匹はというと。

<近所に挨拶しなきゃ。……その前に修繕かな。

 妖精社会も世知辛いのです。ですが、それが社会なのです。
 そして三匹がミズナラまで付いた時、霊夢が大木を神様として祀っていた。

<〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 という事で大木は神様になりました。

<さて、あとはお供え物しなくちゃ

<(うふふ聞いた? これは最高ね!)

<(本当ね! なんて運がいいのかしら)

<(これで夏の食料もバッチリだわ♪)

 という事で霊夢は毎日お供え物してたら、三匹がそれを勝手に食べてたのだった。

<梅雨が明けて絶好調ね! お饅頭よー!

 お供え物を勝手に食べてはいけません

 <雑感>

 異変時はかなり鋭いのに、普段は抜けている事が多い霊夢がかわいくて仕方ないです(笑)

 雑誌掲載時の比良坂さんのコメント。
 これは同意せざるを得ない。

 という事でミズナラの木の話です。
 ですが、まだ大木編のターンは終了してないぜ!
 次回の「二つの世界」で、三匹にとっても重要な事件が起きます。

 カギを握るのは、あのスキマ妖怪です。

 




 次の話へ進む

 三月精 感想目次へ戻る

inserted by FC2 system