何度読み返しても「あー、なんかいいなあ」って思えるのは幸せです。
梅雨の季節。
光を操る程度の能力を持つ妖精は、能力を上手く使えずに憂鬱だった。
<はあ〜あ。この季節は憂鬱だなぁ…いつものことだけど
輝ける日の光 サニーミルク
<いつものことね
静かなる月の光 ルナチャイルド
文々。新聞を読むルナ。
その見出しには「ツチノコ現る」の文字が。
この時期に雨が降るのは当たり前、とルナは返す。
<そうそう、それに雨のひとつやふたつで憂鬱になっていたら今の時期なんて「ぐったり」ねぇ
降り注ぐ星の光 スターサファイア
だが、サニーは「ぐったり」していた。体力的にも精神的にも
<だらしないわねぇ…いつもの虚勢はどうしたのかしら?
<奇声
<威勢! うおー
威勢パワーでサニーは良い事を思いついたそうです。
<梅雨になると毎年雨が降るってわかっているんなら、予め対策を練っておけばいいのよ!
な、なんだってー。
「雨の降らない場所」に別荘を作ればいいというサニー。
それこそが悪魔の棲む館『紅魔館』であった。
紅魔館の周りだけ、何故か雨が降っていないようだった。
空気は淀んでるそうですけど。
<じゃ早速家を設計しましょう?
MYHOMEを真面目に作ろうと考えるルナだったが、サニーの考えは違っていた。
<もう! 何言ってるのよ。そんなんだからルナは向上心ないのよ。
サニーの向上心とは紅魔館にもぐりこむ事だった!
堂々と泥棒するよりは、こっそりだからいいじゃないの。
<そうなのか?
そーなのかー。
妖精にしては無駄にエロいメイドさん達は作画の人の趣味でしょう。
興味ある人は本編を買うべし。
という事で、光の三妖精はメイドにコスプレしてもぐりこむ。
<バレないかなぁ…紅魔館の悪魔はもの凄く強いらしいよ?
<堂々としていればバレても大丈夫だって!
どういう根拠があるのか。
三匹の中では頭が良いけど、元気なのでそうはみえないのがサニークオリティ。
一方、その頃。
<咲夜ー暇だってばさー。雨だから出かけたくないし
↑レミリア・スカーレット
<そうですねぇ。一応、庭には雨が降らないようにしてもらってるんですけど
↑十六夜咲夜
紅魔館の重鎮2人が廊下を歩いていた。
メイドたちの演奏会を開くことを勧める咲夜だが、最近は蛙の鳴き声が五月蠅かった。
そこで通り過ぎる三妖精。
咲夜は三匹の異変に気づく。
そして地上のパーティを開くことに。
うきうきするお嬢様を見て、こっそりと微笑む咲夜。
しかし一迅社の漫画版もそうだけど、咲夜はレミリアに対して妹か娘のような感情を抱いてるような気がしてならない。
でも、それはそれで!
そして見開きで地上パーティ。
その中には霊夢と魔理沙も混ざっていた。
<あんたらもうちの宴会に混ざっているじゃないの
↑博麗霊夢
<そうだぜ! まあ気にするな。酒があるのなら私たちぐらいいたっていいじゃないか。
↑霧雨魔理沙
「それにこれだけ陽気なら虫でも寄ってくるってもんだ」と言い切る酔っ払い魔法少女(魔理沙)に頷く咲夜。
そして後で虫狩りをする事に決めたのだった。
<雑感>
紅魔館に雨が降ってないのは多分パチェのおかげ。
逆に紅魔郷EXでは妹を紅魔館の外に出さないよう、雨を降らす程度の魔法を紅魔館の周囲だけ使った事がある。
そのせいでレミリアが紅魔館に帰れなくなって、霊夢と魔理沙が東方紅魔狂に挑む事になる訳だがそれは別の話。
改めて見て気づいたのは、やっぱり咲夜は丸くなったなぁという話。
彼女がお嬢様や霊夢、魔理沙の性格を理解していて、丁度良い付き合いが出来てるのが見て分かります。
余談
<結局紅魔館も追い出されたし…
<あら居てもいいって言ってたじゃない」
<そうは言ってもあれじゃあ…」
『働かざるもの住むべからずよ(擬音:ゴゴゴゴゴゴ)』
<まあね
<あーもー梅雨なんて…
<……
<梅雨なんて嫌いだ―っ!
<あらまた虚勢?
<また奇声ね
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