~神降ろし~

 ゲーム中では針やお札を投げたり、陰陽玉の不思議パワーを放ったり、時にはお祓い棒や蹴りなどの体術を使いこなす霊夢。
 博麗の巫女の仕事が「妖怪退治」である事は自他共に認める所である。

 だが、「儚月抄」「香霖堂」「三月精」などの漫画・小説媒体では退治以外にも巫女らしい仕事をする事もある。
 その一つが「神降ろし」だ。
 霊夢の側面の一種としてここに挙げておきたい。

 尚、「三月精」や「儚月抄」では謎の言語で書かれた呪文を唱えて使役している。
 霊夢も、それなりに真面目に「巫女」としての仕事はしているようだ。


・伴善男(とものよしお)
 香霖堂22話「流行する神」で登場。

 幻想郷で蔓延した病気に対し、霊夢が病気を集めるべく祟り神としてでっち上げた病気の神様。
 千二百年前くらいの実在の人物。
 「最初は疫病に対する恐怖心と、伴善男様の恨みの念が重なってそうさせられたみたいなんだけど、今では『疫病が治るのなら、祟り神でも何でもやっちゃるよ』って言う感じで気軽に汚れ役を受け持ってくれる有難い神様よ。」by霊夢
 ちなみに病気の元凶は、無縁塚に捨てられていた流行神が封印されていたお札を魔理沙が解いてしまったのが元凶。
 最終的に霊夢は里の家を一軒一軒回って祟り神に対する信仰を集めて病気を封印しようとしていた。
 だが霖之助さんは神頼みより迷いの竹林に現れた医者の高度な治療の方が信憑性があると言ってた。
 またも我々に前に立ちはだかると言うのか……八意様!

 ちなみにこの回は現実では儚月抄が連載される前に掲載された話という事を追記しておく。
(実際の時系列にもよるが東方wikiの幻想郷年表理論(一部を除いて、漫画や小説は雑誌発売日と殆ど同時期の話)を前提にして考えると、
 儚月抄で紫に修行を勧められる以前から霊夢はそれなりに神降ろしが出来た可能性がある)

 元ネタ
 伴善男 - Wikipedia


・天石門別命(あまのいわとわけのみこと)
 儚月抄一話「賢者の計画」で登場。

 神降ろしの修行をさせたい紫に対して、霊夢が降ろした神様。
 大きな穴を開ける程度の能力。
 だが紫曰く「弱い幻覚」とのことで、アッサリ破られてしまった。

 尚、てゐは小説版で「懐かしい神様が見えた」と知っている様子。

 元ネタ
 天石門別神 - Wikipedia(天石門別命)


・住吉三神(すみよしさんしん)
 儚月抄五話「住吉計画」で初登場。

 上筒男命(うわつつのおのみこと)
 中筒男命(なかつつのおのみこと)
 底筒男命(そこつつのおのみこと)
 の三柱合わせて住吉さんと親しまれる航海の神様。
 宇宙を飛ぶのも一つの航海という事で、神様が持つ神力を使ってパチェ制作のロケットの推進力とする計画。
 勿論、霊夢がその神様の力を借りるのである。

 三柱の神様であるためか、「通常の3倍で練習しないと」というのは霊夢の弁。
 魔理沙はそれを「3世帯住宅みたいなもん」という感想を持った。

 結局、実際に住吉さんの推進力を借りたロケットは月面まで到着するも、着地の衝撃で大破するのだった。

 元ネタ
 住吉三神 - Wikipedia


・大禍津日神(おおまがつひのかみ)
 儚月抄十七話「二十七と三分の一の罠」で初登場。

 依姫相手に咲夜、魔理沙、レミリアと次々に敗北していく中、最後に出てきた霊夢。
 だが霊夢は「今回悪いのは私達じゃないの」「悪い方は必ず負けるのと」と乗り気じゃない事もあってか、結構追いつめられたらしい。
 そこで降ろした神様が、この厄災の神「大禍津日神」である。

 月の都は「穢れ」という概念を排除する事で「不老」を得ているが、それ故に穢れを都に入れることを恐れている。
 魔理沙は「すごいぜ! まるで倒すべき妖怪みたいだ! 霊夢が」と親友を賞賛している。

 一応、霊夢は弾幕で攻撃している。
 依姫は霊夢の攻撃を全て斬り払う事になったが、痺れを切らした彼女が降ろした巫女姿の神様「伊豆能売(いづのめ)」で穢れを全て抹消する。
 ちなみに霊夢は伊豆能売の存在を知らず、依姫に「勉強不足ね」と指摘された。

 元ネタ
 禍津日神 - Wikipedia

 伊豆能売 - Wikipedia



 ~「三月精」で行った儀式~

 「三月精」では霊夢が神様絡みの儀式を行うシーンが多い。
 どちらかというと「神降ろし」というより「儀式」である。
 こちらも謎の言語で呪文を唱えたりする。

・鷽替神事(うそかえ しんじ)
 三月精6話「魔法使いと嘘 後編」で登場。
 博麗神社に参拝客が少ない事を嘆いた霊夢が、外の世界の神事を真似ようとして取り入れたこと。
 ウソが持つ罪を赦し、ウソを幸福に替える神事。
 霊夢が笛で呼びだした鷽(うそ)霊夢曰く、天神様の使いらしいが信憑性は不明。
 嘘をついていた魔理沙や三妖精が突かれまくった。
 ちなみに本当の嘘替神事は、作りものの鷽を交換しあう儀式である。 

・太陽と月の戦い
 三月精16話「天体の悪魔と神 後編」で登場。
 天照大神(あまてらすおおみかみ)と、明けの明星=天香香背男命(あまのかがせおのみこと)の戦い

 それに対して、霊夢が毎年、大晦日と元旦の年明けに行ってる儀式である。
 具体的には「月と星の、夜の世界」と「日の、昼の世界」の戦いが、毎年の年始に行われている。
 この戦いで太陽が負けると妖怪の力が強くなる闇の年になるので、霊夢は太陽が勝てるように天香香背男命の力を封じる儀式を行う。
 その結果、霊夢の封印で弱体化した天香香背男命が天照大神に負ける。
 そして毎年の初日の出は明星が太陽に消され、妖怪の力が抑えられているのだ。

 だが三妖精の能力に目をつけた魔理沙が、儀式を失敗させるべくサニーの能力を使って太陽が明星に負けたように見せかけた。
 その結果、霊夢は儀式が失敗したと思って唖然となり、一方でレミリアとパチェは紅魔館でマジ喜んでいた。
 後に天照大御神でレミリアが瞬殺されるのは別の話。

 元ネタ
 天照大神 - Wikipedia

 天津甕星 - Wikipedia(天香香背男命)


・ミズナラの木
 三月精21話~22話「世界最大の生命体」で登場。

 龍神の落とした雷によって博麗神社の付近にあったミズナラの木が真っ二つになった(ちなみに霊夢と魔理沙は龍神様と様付け)
 「世界最大の生命体」と呼ばれる大木ですら真っ二つにする龍神様の雷。
 それに目をつけた霊夢が参拝客を増やすべく、儀式を行って神様として祀った事がある。
 一度、祀られれば何でも神様になるのが東方世界。
 霊夢は「雷避け」だったり「成長祈願」だったりと御利益を色々考えていた。
 結局、三妖精の別荘として使われるのだが。

 その後、霊夢は飽きて放置する。
 だが東方世界の神様は、信仰を失って忘れられると消滅してしまう。
 その結果、神様となったミズナラの木も消滅してしまう。

 それから外の世界から別の大木が入って来て、一時的に外の世界が幻想郷に侵入してきたらしい。
 紫は危険ではないと判断した三妖精を大木に住まわせる事で幻想郷の一部とするのだった。
 そして神社の近所に引っ越してきた三妖精の悪戯が増え、参拝客はさらに減ったのだった。
 めでたしめでたし。

 元ネタ
 ミズナラ - Wikipedia


 ~ゲーム中の件~

 博麗神社は幻想郷で唯一の神社なせいか、外部からも狙われてるのです。
 ゲームではそういう方面から異変が起きる事も多かったり。

・「風神録」の守矢神社

 とりあえず風神録のエンディングで、霊夢と神奈子・早苗の間で話し合いがあったらしく守矢神社の分社として貸してやる事になる。
 結果的に霊夢と神奈子の双方にメリットがあった件である。

 余談だが早苗のハード・ルナのスペルに「サモンタケミナカタ」なる技がある。
 早苗は神奈子を神降ろしして戦闘力を得ている解釈も可能かもしれない。


・「緋想天」の比那名居一族の神社

 霊夢シナリオにおいて暇潰しで異変を起こした天子を叩きのめした霊夢は、彼女と天女たちに神社を再建させる。
 定期的に神社を改築する儀式「式年遷宮」によって生まれ変わった博麗神社。
 だがそれは、天子の良いように博麗神社を改造して住む場所を増やそうという目論見が隠されていた。

 紫は土地が余りまくってる天界がある上、幻想郷にも住む処を作ろうとしている天子の態度にキレ、天子を「ぎったんぎったん」にする。
 それから天子によって再建された直後の博麗神社を再度ぶっ壊して、霊夢を涙目にする。
 その後は萃香に依頼して、紫にとって信頼がおける鬼の力を持って博麗神社を再建させるのだった。
 萃香はこの時に天狗にも手を貸させると言ってたので、恐らく文EDで撮った神社の写真が役立ったと思われる。

 


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