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■4.1.エキストラストーリー
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 博麗神社。
 霊夢と光の三妖精が新聞の話をしていた。

 霊夢 「ていうかさー。新聞溜まるのウザいんだけど」

 スター「じゃあ読まなきゃいいじゃないですか? ほら、焚き火にするとか」

 霊夢 「燃やしたいのは山々なんだけどさー。なんか新聞読まなきゃ紙舞だかいう
     妖怪が沸いて出るとか文が言ってたから読まなきゃいけないのよ」

 サニー「じゃあ紙舞だかいう妖怪を退治すればいいじゃないですか」

 霊夢 「退治出来ないみたいなのよね。だから新聞を読まなきゃいけないの」

 スター「退治出来ない妖怪とか今の幻想郷にも居たのねー」

 ルナ 「紙舞ねぇ。どっかで聞いた事あるんだけど……」

 実は霊夢が紙舞を信じているのは光の三妖精のせいなのだが、妖精の頭ではすぐに忘れてしまうのである。
 霊夢の恐怖が本当に紙舞なる妖怪を生み出してしまう事もあるかもしれない。

 霊夢 「だから新聞拡張団を調伏する御札を作っているの。新聞勧誘お断り!です」

 ルナ 「こうしてスペルカードは作られるのか」

 サニー「あ、私達もこうやってスペルカードを作れば異変解決に出られるんじゃない!?」

 霊夢 「退治されるが良い」

 妖精では異変を起こす事は出来ないのだ。別に異変じゃないけど。



 妖怪の山
 いつの間にか出来ていた間欠泉地下センターは今日もエネルギーを供給していた。
 地獄鴉のエネルギーを得た河童は新たな開発を進めていたのである。

 にとり「でさ、外の世界の人間が持っている携帯電話ってあるじゃない」

 魔理沙「ああ、香霖堂にも置いてるな。離れた場所に居る相手と通話する為の
     道具らしいが幻想郷では使えないから弾幕にしか使い道がないアレだろ?」

 にとり「私の弾幕には使わないけどね。
     しかしその携帯電話ってのが要は念話機能のついたカメラってことが分かってきた。
     離れた場所に居る奴と会話する術と言えば念話だろう。
     その携帯電話は訓練していない人間でも念話を使えるようにするツールって事だね」

 魔理沙「地底に潜ったときに紫が改造した陰陽玉みたいだな。でもなんで
     幻想郷では念話が出来ないんだ?」

 にとり「外の世界ではエレキテルを大量に生み出す工場があるのさ。だから外ではエレキテルの充電も
     苦ではないんだろう。しかし幻想郷ではエレキテルを起こすのも一苦労だから充電する事も
     ままならない。竜宮の使いの力でも借りない限りはね。ただその辺はもう解決済みという訳だ」

 空  「うにゅ?」

 センターの茶の間には何食わぬ顔で魔理沙と空とお燐がいた。彼女たちはすっかり山に
 馴染み、河童が漬けた胡瓜のピクルスをかじっていた。

 魔理沙「人工太陽の力を借りて充電するのは構わん。理屈は分からんがな、
     そろそろどうやって念話を出来るようにしたのかをさぁ」

 にとり「簡単だよ。念写をする程度の能力を持った鴉天狗に携帯電話を渡したんだよ」

 魔理沙「念写と念話じゃ別物じゃないか。念話しろよ」

 にとり「まあその……念写も念話も似たような物だと思ってね」

 魔理沙「そうか。私でも念話を使えると思ってたが、そうは上手く行った訳じゃないのか」

 にとり「その代わりカメラは新機能を付けといた。チャージする速度が従来の
     アナログカメラより通常の二倍速い。まあ通常の二倍とは言うが体感的には三倍速い」

 魔理沙「それにしてもこれ以上鴉天狗が増えるとしたのは厄介だな。文だけでも厄介
     だというのに。彼奴が居ると私のブレイジングスターが遅く見えるんだ」

 にとり「安心しな。麓と接点を持ちたがってる天狗なんてそう多くもないさ」

 魔理沙「そう言えば地底の妖怪どもも文の餌食になったのか?」

  空 「うーん。盗撮された記憶あるけど、
     もうあんまり覚えてないねー」

 お燐 「鳥頭よねぇ。
     無駄よ無駄、さとり様の眼を持ってしても天狗の盗撮は阻止出来なかったよ。
     そういえば想起弾幕に出てた宇宙人って何? ウチの地霊殿の天井より大きな
     一枚天井を投げつけてくる人間とかよくわからないんだけど」

 魔理沙「宇宙人なら仕方あるまい。なんで彼奴らがあんなに強いかは私にも分からんが」

 それはさておき魔理沙はうすうす感じていた。
 携帯電話を改造したケータイカメラを手に持った天狗が麓で暴れ回るのではないかと。
 そして今回こそ文と相まみえることになるのではないかと。



 守矢神社。
 椛と早苗が天狗のブン屋の話をしていた。
 幻想郷における信仰とは親交を深める事なのである。

  椛 「そう言えば、最近文の奴がまた暴れ回ってるらしいですね、
     傍迷惑な話だというのに」

 早苗 「そうですか、同じ天狗だから文さんと椛さんは仲良いと思ってましたけど」

  椛 「何で天狗繋がりだからって仲が良いという発想になるんですか。
     で、彼奴の手帖には写真がびっしり貼ってあって、それぞれに
     独り言みたいな解説が書かれているんですよ。私は一生見張りをやってろとか」

 早苗 「気味悪いですね。それで見張りをやるんですか?」

  椛 「ええ仕事ですから。白狼天狗の。
     私個人としてはあいつの事を退治してくれると助かるんですけどね」


  鴉が鳴いている。もうそろそろ日が落ちようとしていた。
  鳴いているのは天狗のカメラで無くて良かった。

 早苗 「それで、文さんの被害者はどなたですか? 私は妖怪退治が楽しいから
     いいですけど神奈子様と諏訪子様の信仰も欲しいのですよ」

  椛 「文の奴がおたくの神様を『癒しの守矢』とか言って雑魚扱いしてたから、
     あの二人も被害者じゃない? なんか地底のさとり姉妹とか有頂天のお嬢ちゃんより
     弱かったって言ってました。あー、レベルなんて関係ないじゃない」

 早苗 「なんですって! 癒しの守矢ですって!
     神奈子様と諏訪子様は弱くなんかないもん!
     絶対許さない! 文さん、絶対許さなえいんだから」

  許されざる天狗は最速で幻想郷を駆け抜ける。
  号外が飛び交う中、幻想郷のブン屋 射命丸文(しゃめいまるあや)の
 ネタ集めの為に妖怪を探していた。


                 ・
                 ・
                 ・

               う ・ そ


 こんなストーリー付いてきません(多分)。

>「東方文花帖〜ダブルスポイラー〜」のEXストーリーが書かれていた!
 はい、この文章は神尾そらが書きました。
 ZUNさん並びに上海アリス幻樂団さんは一切関係ありません。当たり前ですね。
 4/1に乗じたダブルスポイラー二次創作の一環です。

 でもこういうノリの二次創作なら僕にも合ってるのかなとちょっと思い始めてきました。
 やっぱり会話メインだとこういうノリの小ネタっぽい方が書きやすくてテーマも分かりやすいと思うのです。
 魔理沙とにとりの会話が設定補完っぽくてお気に入り。 



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